来オフにFA宣言して大リーグ挑戦の可能性が出てきた巨人松井秀喜外野手が26日、シアトル・マリナーズ佐々木主浩投手からエールを送られた。佐々木は自身がマリナーズ移籍の際に思い悩んだ経験を踏まえ「日本で成績を残したら、より高いレベルを目指すのは自然の流れ。3冠王を獲得してメジャーへ」とアドバイスした。第一線で活躍している現役メジャーリーガーも松井の去就に今から注目している。
佐々木は、松井の姿に2年前の自分をダブらせた。「巨人かメジャーか、松井君の揺れてる気持ちはよく分かるよ」。FA権を獲得した99年のオフ、横浜残留かメジャー移籍かの選択に迫られ、悩み抜いた末に大リーグに飛び込んだ。その後のサクセスストーリーは語るまでもない。米国でも一流のクローザーとして認められ、シアトルの「大魔神」として大活躍している。
巨人の4番、日本のNO・1プレーヤーとして、軽々しく「メジャー挑戦」を口にできない松井の立場を、佐々木はよく分かっている。しかし、それでもあえてメジャー入りをすすめる。「自分もイチローもそうだったけど、日本でタイトルやある程度の成績を残したら、より高いレベルを目指すのが自然の流れ。レベルアップを目指すならメジャーへ行った方がいいのではないでしょうか」。来年はシーズン中から騒がれると思われるが「ぜひ3冠王をとってほしい」と、プレーに集中するため高いハードルを課すことを歓迎した。
先発投手では野茂(ドジャース)、抑え投手では佐々木、アベレージ打者ではイチロー(マリナーズ)が、日本人のトップ選手の力がメジャーで通用することを証明した。大トリはホームランバッターの松井が挑戦する番。これは佐々木をはじめとした日本人メジャーリーガーたちの願いでもある。
佐々木のエールを伝え聞いた松井は「来年は騒がれて自分のプレーを見失うようなことはないと思う。とにかく野球に集中したいだけ」と多くを語らなかったが、先輩大リーガーの心遣いはしっかりと伝わった様子。3冠王どりへ向けて、あらためて気持ちを引き締めていた。
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