マリナーズ佐々木主浩投手が「チャート式学習法」で悲願の世界制覇を目指す。９日、沖縄・名護市のカヌチャベイ・ホテル内で始動した佐々木は、約５０球のキャッチボールや筋力トレーニング、ゴルフ、水泳と夕方まで精力的に汗を流した。「去年は後半バテたからね」と課題のスタミナアップに余念はない。

　一方で相手打者の研究も始まっている。このほど、マ軍から昨季の佐々木の全投球を編集した１０時間に及ぶ４本組のビデオが届いた。公式戦６９試合、ポストシーズン４試合に登板した総投球数は１０３０球。これを自ら各打者ごとの配球図、いわゆるチャートを書き込んで傾向と対策を練ろうというのだ。「日本ではスコアラーがすべて用意してくれたけど、自分で書けば覚えやすいですから」と、２月のキャンプ終了まで地道な作業を続ける。

　メジャー屈指のクローザーに対する各球団のマークが厳しいことは実感している。例えばリーグチャンピオンシップで苦杯をなめさせられたヤンキースは徹底した分析で佐々木のフォークを見送り、直球狙いに成功した。逆に他のチームはフォーク狙いの打者が裏をかかれ直球で三振する場面も多かったという。「だまし合いの域で勝負する必要もあります」。ボールの切れに頭の切れもプラスして、２年続けてプレーオフで敗れたヤンキースを倒す。

◆チャート式：チャート（ＣＨＡＲＴ）は英語で海図を意味する。数研出版が昭和初期から編集する参考書「チャート式」は学習を航海に例え、正しい進路を発見して解答へと導く海図となることが信念。同社のホームページによると「問題の急所がどこにあるのか、その解法をいかにして思いつくかわかりやすく示す」としている。

この情報はnikkansports.comの協力でお送りしています