3年ぶりに日本で開催される「MLB開幕戦03」の発表記者会見が16日、都内のホテルで行われた。「アスレチックス−マリナーズ(3月25、26日)」の顔合わせで、マリナーズ佐々木主浩投手とイチロー外野手が出席した。イチローは、マ軍選手が日本の夜を満喫し過ぎないように「見張り」を宣言するなど、メジャーで実績を残す貫録をアメリカン・ジョークで表現した。
マリナーズでともに戦って2年。意外にも日本でツーショットで現れるのは初めてでも、息はピッタリだ。グラウンドでは鋭いフォークを落として試合を締めくくる佐々木が「これ以上しゃべるとイチロー君に怒られるので後は任せます」とインタビューの「落としどころ」はイチローに任せた。
「このやり方でいつも迷惑しています」とほほ笑むイチロー。日本で迎える開幕戦と過去2年を比較して「気持ちが全然違います。母国での開幕戦は意義があるし、メジャーの選手である以上1度やってみたかった。想像すると今から興奮しています。僕は『イチロー以上』のものは出せないので、それが出せるようベストを尽くしたい」と素直な感想を口にした。
「しかし、今回はそれ以上の仕事が僕にはある」と真顔で続けると会場全体が、かたずをのんだ。野球以外の大切な仕事とは…。「マリナーズの選手は日本に遊べる場所が多いので野球以外のことを楽しみにしているんです。六本木とか。そういうことは佐々木さんに聞くだろうし、どっちかというと佐々木さんはあおるでしょうから、僕としてはそれを止めないと。それが最大の役割です」。なんだ、冗談か! 呼応するように佐々木が「大切な試合があるんで、僕も止めますよ。特にキャメロン(外野手)を」と笑わせた。
ほかにも今季からデビルレイズに移籍した昨季までのマ軍の熱血指揮官ルー・ピネラ監督の話題になると「ルーがベースを投げて怒るよう(判定が)際どい内野安打を増やしたい」と、イチロー流のアメリカン・ジョークが続いた。
クールなイメージの強いイチローの軽妙なトークには、自分の手で日本のファンにメジャー開幕戦をプレゼントできる喜びが表れていた。ましてや、ア・リーグ西地区最大のライバル・ア軍との激突。メジャーのレベルを体感するには最高のカードだと自負するからだろう。
「アスレチックスは強い。勝つとしたら1点差でしょう」と、佐々木が試合展開を予想した。1点リードを奪うのはイチローで、守り切るのは長谷川、佐々木の仕事だ。「まずレギュラーを奪いたい。2年前の開幕戦、僕は日本での9年間の誇りを持ってグラウンドに立った。今度は2年間の米国でのプレーと誇りを胸に日本のグラウンドに立ちたい」。イチローがいい仕事を約束した。
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