<マリナーズ8−6ブルージェイズ>
調子が悪くても、点をとられない。マリナーズ佐々木主浩投手が、ブルージェイズ戦で今季9セーブ目を挙げた。2点リードの9回裏、安打と死球などで2死満塁のピンチを招いたものの、後続を打ち取って無失点投球。今季15試合目の登板で、依然としてメジャーの抑えでただ1人の自責点0をキープした。
ボールが思い通りにいかなくても、気持ちは落ち着いていた。2点差で迎えた9回裏2死満塁。カウント2−2と追い込んだ時点で、佐々木はタイムをとって捕手デービスを呼んだ。そこまで4球続けてフォークを投げても、打者クルーズはバットをピクリとも動かさずに見逃した。投球ごとのクセなのか、サインなのか。相手の不審な動きを見た佐々木がデービスに伝えたのは、ノーサイン投球。最後は、サイン交換なしでフォークを投げ込んだ結果、当てただけの投ゴロで試合は終わった。
「直球がどこに行くか分からないほどで、調子は悪かったんです。体も重く感じてましたから」。9日に日本へ緊急帰国し、とんぼ返りした11日にはシアトルで登板。さらに、12日の試合後、3時間の時差があるトロントへ移動するハード日程の影響で、体調は万全に程遠かった。時差ボケの影響からか、前夜も午前7時すぎまで眠れなかった。「ただ、フォークの制球が良かったので、なんとか抑えられました」。
体が疲れていても、気持ちは充実していた。12日、親友でプロゴルファーの丸山茂樹がPGAツアーで通算2勝目を飾ったことが、自分のことのようにうれしかった。テレビ中継で結果を見届けると、すぐに留守番電話にお祝いのメッセージを入れた。試合後、直接話した際には「マル(丸山)がメチャメチャ喜んでるのが伝わってきた。米国で戦うのは大変だけど、マルが頑張ってる姿はボクの励みにもなります」と、刺激を受けていた。
トロント到着後は、ホテルの自室で音楽をかけながらお香をたくなど、心身ともにリラックスさせることを心がけた。「まあ、これから少しは良くなっていくでしょう。調子が悪い時に抑えられたのは収穫です」。今季15試合目で自責点0。春季キャンプから通算しても防御率0・00の安定感は、並大抵ではない。「体調がいい時は絶対的。そうでない時でも何とかしてくれるという感じがします」。バックで守るイチローの言葉が、何よりもの、佐々木評だった。
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