<横浜5−5巨人(8回裏攻撃中降雨コールド)>
やっぱりあの球、伝家の宝刀フォークだった。横浜佐々木が選択した初球。真ん中低めにストンと落ちる126キロに仁志のバットが空を切る。相川も捕球できないほどだ。ブルペンでの切れの良さから「初球はフォークでいいですか」と相川が進言した入魂の1球。2球目のフォークも相川は捕れず、3球目の直球まで捕り損ねた。結局、仁志を空振り三振、清水には中前打を許したが小久保を直球で遊ゴロ併殺。1回を1安打無失点、わずか8球で料理した。
雨を予測しての繰り上げ先発登板は、実に99年8月1日以来、1697日ぶりとなる日本復帰登板でもあった。さすがの大魔神も緊張した。「投げるのは久しぶりだったから。先発は緊張する」。右足甲、右太ももを痛め、2度の登板回避があり、20日の登板も雨で流れた。「4度目の正直」で上がったマウンド。終始こわばった表情は、チェンジとなり一塁ラインを越えたところで、やっと崩れた。
最速は137キロと万全ではない。「体のキレが足らないので開幕まできっちりとやらないと」と話したが、出遅れるわけにはいかない。右足の早期回復のためにサッカー、イングランド代表MFベッカムも利用した「高気圧エアキャンバー」を1年契約で、自宅にリース。「効果はこれから。ケガ予防? それもあるしね」と毎日1時間以上カプセルに入っている。
次回登板は27日の中日戦(横浜)。山下監督も「心配ない。順調にきた」と絶大の信頼を寄せる。古巣は2年連続最下位と低迷している。入団発表の時「山下監督を男にしたい−」と言った大魔神の、日本復活劇の序章が幕を開けた。
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