<オープン戦:アスレチックス4−2マリナーズ>
マリナーズ佐々木主浩投手がアスレチックス戦に登板し、1回を無失点、打者3人から2三振を奪う完ぺきな投球をみせた。オープン戦3試合目でもあり、カーブを効果的に使う巧みな投球術も披露。メジャー3年目で最高といえる仕上がりの投球だった。
全身からあふれる力感を、自ら感じていた。マウンド上の佐々木は、現時点で測れる感覚を確かめようとしていた。オープン戦3試合目となる登板。肉体と精神の仕上がりを、打者に対して投げ込みながら確かめるのが、最大の目的だった。
まずは、フェルナンデスに対して、体にぶつかりそうな内角へのラインから真ん中へ入るカーブで先行。さらに、そこから外角へ曲がるカーブで追い込んだ。「捕手のウィルソンのサイン通り。任せてますから」。同じ地区のア軍相手にこれまでと違うカーブを見せたのも、シーズン本番を見据えて、だ。そこから内角へシュート気味に沈むフォークが決まれば、文句の付けようもなかった。
三振、遊ゴロ、そして三振。わずか10球とはいえ、そのうち8球のストライクで攻め続けたのも、佐々木が本調子に仕上がってきた証拠だった。
特に、今季の工夫となっているのは、やはりカーブ。これまでは、意識的に高い直球で相手打者の「目線」を上げてきたが、今回は上下に落差のあるカーブに変更。自らのバロメーターをチェックするだけでなく、配球面でも同一リーグ相手を考慮した一方で進歩した一面をのぞかせた。
今回の登板を機に、今後は11日から3日連続で100球以上の投げ込みを行う予定。「とにかくフォークをたくさん投げます。これから1年間、キチンと投げられる体力をつけようかと思ってます」。今オフ、アルコール類を控えて節制した結果、体調もベスト。プライス投手コーチの連発する「グレートだ」との言葉を聞くまでもなく、佐々木の仕上がりのテンポは、またアップし始めた。
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