<オープン戦:マリナーズ9−4カブス>
マリナーズ佐々木主浩投手がカブス戦に登板。2回を2安打無失点に封じた。これで5試合6イニング連続無失点。走者を出しながらも抑えるベテランならではの投球を見せた。
本調子でないことは、マウンド上の佐々木自身が、一番分かっていた。気温30度の暑さ、蓄積した疲労。登板前には「そろそろ打たれた方がいい」と話していたほどだった。だが、いざ打者を前にすると、心の奥底に根付いている本能がうずいた。
8回表1死から左前打、四球でピンチを招いたが、後続を併殺に打ち取った。続く9回も先頭打者に二塁打を許しながら、遊ゴロ、三飛、そして最後はフォークで見逃し三振。「今まで投げた中で調子は一番悪かったです。ただ、調子が悪くても抑えないとね」。最速も佐々木にしては遅い91マイル(約146キロ)だったが結局、公式戦ではほとんど投げることのない2イニングを無失点。5試合、6イニング連続で「0」を並べた。
そんな佐々木の仕上がりを、現地で取材中の山下大輔氏(日刊スポーツ評論家)は、精神面とカーブの使い方の両面での成長と分析した。
山下氏 「点を取られてもいい」とは言っていたが、マウンドに上がれば、取られたくない、という習性が出ていた。技術的には、これまでカーブを投げなかったカウントや状況でも、自信を持って投げていたのが印象的。シーズンに入って、絶対に落とせない試合や状況でも投げられれば、打者にとって嫌だと思う。
実際、この日は得点圏に走者を背負った場面でカーブを投げただけでなく、相手が見逃してくると判断すると、フォークでもストライクを取るなど、過去4試合とは、ひと味違う側面も披露した。
山下氏 今は試している段階だろうがカーブに手応えを感じているのが分かる。体調も良さそうだし、さらに安定感が増すだろう。
登板日には毎朝台所に立ち、ご飯、卵料理、みそ汁などを自ら作って「出陣」。例年以上に、体調管理にぬかりはない。「あとはよく寝ることかな。そろそろ練習もハードにできなくなるし、うまく調整しながらいい状態で開幕を迎えたいですね」。メジャー3年目。順調過ぎることだけが、唯一の不安材料かもしれない。
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