<マリナーズ3−2アスレチックス>
もはや1敗も許されないマリナーズが、首位アスレチックス相手に連夜の逆転劇を演じ4連勝。1点を追う8回裏、キャメロンの2ランで逆転すると、最後は佐々木主浩投手が締めて37セーブ目。1点差で逃げ切った。2位エンゼルスがこの日も敗れたため、依然としてプレーオフ出場の可能性を残した。
試合の幕を引いた佐々木の形相に、マ軍ナインの本音が表れた。1点リードの9回1死から、安打こそ許したものの、最後は空振り三振で無得点投球。いつもなら涼しい顔で話す佐々木が、この日は違った。「どうしても抑えたかったし、負けられない。そういう気持ちの部分だけでした」。怒りにも似た顔付きで、37セーブ目を振り返った。
チームとしても、佐々木個人としても、ストレスを感じたままだった。地区優勝が消滅し、プレーオフ出場も風前のともしびとなった。さらに、前日の試合では、セーブ機会がありながら最後にマウンドにいたのはローズ。シーズン終盤に起きた右ヒジ痛の影響を考慮されたとはいえ、準備を終えていた佐々木にしては、プライドを傷つけられた1日だった。「昨日投げられなくて、悔しい思いをしましたし、気合を入れていきました」。最後のガッツポーズは、気分を晴らすための動きだった。
チームにとっても、プライドをかけた戦いだった。昨年は、過去最多の116勝を挙げて独走した。だが、今年は終盤もたついて優勝争いから後退。ア軍、エ軍に取り残されてしまった。しかも、今回が最後の本拠地3連戦。観客動員ではすでに球団記録更新が確実とあって、最後まで手綱を緩めるわけにはいかなかった。リーダー格のブーンは言った。「我々にはまだチャンスがある。今の戦いを楽しんでるよ」。これで球団史上2位となる92勝に到達。前夜は若手の活躍、この日は不振続きだったキャメロンの逆転弾と、ここへきてようやくチーム全体の歯車がかみ合い始めた。
残り4試合でマ軍が全勝し、エ軍が全敗した場合のみ1試合だけの「プレーオフ出場決定戦」となる。もう1日生き残れば、あとはエ軍との直接対決3連戦が待ち受けており、自力での可能性が復活する。「まずは明日勝つことだよ」。ここ数試合、冷めかけていたピネラ監督の口調にも、少しずつ熱気が戻ってきた。
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