<アスレチックス5−3マリナーズ>
マリナーズのプレーオフ進出の夢が、ついに消えた。アスレチックス戦の試合前に、地区2位のエンゼルスが勝ち、出場権を獲得。ゲームでも1点をリードしながら9回表、佐々木主浩投手が同点弾を浴び延長戦に突入。10回表に長谷川滋利投手が3点を失い、敗戦投手となった。イチロー外野手も5打数無安打に終わるなど、今季のマ軍を象徴するような「敗戦記念日」となった。
残された力を振り絞るのも、難しい状況だった。試合開始24分前。エンゼルスの勝利が決定し、マ軍のわずかな可能性が消えた。一瞬にして「消化試合」となってしまった本拠地最終戦は、あまりにも酷だった。
ここまで残り4試合。1敗も許されない状況でマ軍が全勝し、対象のエ軍が4連敗した場合だけ「進出決定戦」にもつれる危機的立場だった。試合前の練習中からナインは、電光掲示板やクラブハウス内のモニターでエ軍の試合状況をつぶさに見守っていた。ところが、エ軍は1発攻勢で快勝。試合が始まった時点で、戦意が半減するのも当然だった。
試合前の段階で目標を失うことは、誰よりも集中力を要する救援陣にとって、つらい登板でもあった。9回表、同点弾を浴びた佐々木は「試合前の結果? 終わったな、とは思いました」と本音をこぼした。
現時点で球団史上2位となる92勝を挙げたように、実力がなかったわけではない。だが、足りてはいなかった。「最後まであきらめなかった彼らを誇りに思うよ」。目を充血させたピネラ監督の言葉は、いつになく重みがあった。
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