<マリナーズ2−1オリオールズ>
マリナーズは世界最強だ! イチロー外野手が1安打1得点と活躍すれば、佐々木主浩投手は1点差の9回を3人で仕留め21セーブ目を挙げた。メジャー史上初の4、5月連続20勝で40勝12敗の快 進撃。シーズン120勝以上のハイペースだ。ア・リーグ西地区で2位に14ゲーム差。気の早い話だが、マジック97が点灯していることも分かった。
1点差の9回なら佐々木しかいない。先発シーリーが8回1死三塁で左腕ローズにバトンを渡す。ピンチをしのぎ勝利の方程式は大魔神につながった。2死後、7回に3号ソロを放っている鉄人リプケンを迎えた。直球は走っている。が、佐々木は自分に言い聞かせていた。「外に低く」。勝つための最善の手段を知っている。慎重かつ全力で投げ込んだ外角低めの直球はリプケンのバットに食い込み、中飛で締めくくった。スピードガンは自己最速、今季日本人最速の98マイル(約157キロ)を記録した。「速度は(機械が)打球の速さに反応したんだよ。さすがリプケン。あれだけ低い外のボールをあそこにもっていくなんて」。敬意を表した言葉にも余裕がにじんだ。
そのリプケンと三塁ベース上で談笑していたのはイチローだ。7回、捕手前のゴロが内野安打になる。得点にこそつながらなかったが、ア・リーグトップのノブロック(ヤンキース)マクレモア(マリナーズ)に並ぶ17個目の盗塁も決めた。開幕から不動の1番イチロー、3番マルチネス、4番オルルドが好調を維持。派手さはないが、つながりある打線を形成する。この試合もチャンスにマルチネスが犠飛を打ち上げ、オルルドが中前にはじき返して決勝のホームを踏んだのはイチローだった。イチローが「このチームはあきらめないんですよ」と感嘆するように、投手陣が終盤まで試合を壊さなければ打線も粘りがいがある。
先発のシーリーはハーラートップの8勝目を挙げ、通算100勝に達した。この投手もずばぬけた速球はないものの、制球力を武器に打たせて取り続ける。「よく守ってくれるし粘ってくれる。だから勝てるんだ」。
この1勝で4月(20勝5敗)に続き5月も20勝(7敗)に到達。4、5月でいずれも20勝以上したチームはメジャー史上初めてだ。もちろんア・リーグ西地区ではダントツ。2位以下のチームはすでに自力Vが消滅し、マジック97が点灯していることも分かった。どこまで白星を伸ばすのか。このままのペースで勝ち続けると124勝。これまたメジャー記録を更新する。
◆自力V可能性なしア・リーグ西地区を独走するマリナーズには日本でおなじみのマジックナンバーが早くも点灯している。地区2位のアスレチックス、3位エンゼルス、4位レンジャーズにはすでに自力優勝の可能性がない。110試合を残すマリナーズが今後、2位アスレチックスとの直接対決13試合に全敗しても、ほかの97試合に勝てば137勝に到達。ア軍は残り110試合全勝でも136勝にしかならない。マリナーズが97勝すれば2位以下3チームは残り全勝でも届かなくなる。
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