<マリナーズ8−4デビルレイズ>
緊迫するはずの状況でも、マリナーズ佐々木は表情ひとつ崩さなかった。4点リードで迎えた9回表。出番がないと判断して、一時は肩づくりをストップしたものの、4番手ローズが満塁のピンチを招き、佐々木の名前がコールされた。「キツかったですね。もうひとり前の場面で出たかったんですけどね」。塁が埋まった状況で登場する重圧は、点差の余裕を打ち消していた。
もっとも、マウンド上では攻撃する姿勢を崩さなかった。相手は、メジャー通算334発の5番ボーン。絶対に本塁打を避けることが前提でも、果敢に内角を攻め込んだ。「全部内角でいきました。ボールでもいいかなと思ってね」。失点することよりも、頭の中は勝利だけ。相手の弱点に自らの勝負球を、けれんみなく投げた結果が、三邪飛のフィニッシュだった。
これでメジャー独走の23セーブ目。義父を失ったピネラ監督が不在の試合をピシャリと締めくくり、球団新となる11連勝に導いた。「やっぱり監督がいない時に負けたくなかったですからね」。自らの数字を忘れてチームの士気を気遣う姿は、間違いなく、マ軍のリーダーだった。
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