<マリナーズ1−0エンゼルス>
マリナーズ佐々木主浩投手が、圧巻の投球で今季6セーブ目を挙げた。1−0で迎えた9回表、先頭打者に不運な二塁打を許したものの、後続から2三振を奪うなど、無失点に封じた。今季10試合に登板して、依然として自責点0(失点1)。マ軍は4連勝で、貯金を今季最多の「13」まで伸ばした。
自信に満ちあふれていた。「絶対に打たせない」。マウンド上の佐々木は、本当に、そうつぶやいていた。9回表。一塁線に飛んだ不運な二塁打で、いきなりピンチを背負った。だが、焦りも動揺もない。4番アンダーソンを一直に打ち取ったところで、さらに気持ちは引き締まった。
続くサーモンは、フォークで3球三振。さらにフルマーに対しては、5球すべてフォークを続けた。最後は捕手ウィルソンのサインに3回首を振った末、フォークで空振りを奪った。直前には、フォークがワンバウンドして暴投となり、走者が三進。「でも、ダン(ウィルソン)を信用してますから」。親友フランクリンの初先発での白星がかかる試合。鬼気迫る一方で、冷静な配球が光った。
10試合目の登板を終えて依然として自責点0。9回2/3で15奪三振の安定感は、過去2年とは比較にならない。「右ヒジを手術して以来、3年がたってようやく自分のイメージ通りのフォークになってきたんです」。99年の手術後、驚異的な回復を見せ、メジャーでも活躍。だが、納得していなかった。佐々木のフォークの場合、実はボールを挟む右手の人さし指と中指以上に、その2本に添える薬指と小指の力が重要だった。「今年は確実に指の力と神経が戻ってるのが分かるんです」。
昨年まで見逃されていた低めのフォークで今季は空振りさせているのも、それだけ落差が鋭い証拠。この日、138キロをマークしたスピードがあるからこそ、ワンバウンドしても打者が手を出してしまう。アルコール節制、ウエートトレ、電気ばりなどの体調管理も例年以上。「あのフォークを投げていたら、たぶん打たれないでしょう。自信を持って投げてます」。マウンド上での緊迫した表情と、ロッカールームでの屈託ない笑顔。佐々木らしいギャップが、何よりも好調さを物語っていた。
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