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7月6日
佐々木、パンチョさんへ手向けの20S

<マリナーズ2−1ツインズ>

 マリナーズ佐々木主浩投手がツインズ戦で、今季20セーブ目を挙げた。1点リードの9回1死から登 板。3連投の疲れも見せずに、ツ軍の主軸打者2人をわずか5球で料理した。横浜時代から親交があり前日亡くなったパンチョこと故伊東一雄氏(享年68)にささげる区切りのセーブだった。

 体の奥底に残る疲労感は、マウンド上でピネラ監督からボールを手渡された時点で忘れていた。3連投でも、投げたい。1点リードの9回1死。課せられた役割は、2つのアウトだった。「肩に力が入り過ぎないように投げました」。

 6月30日、そして7月2日と2試合連続で救援に失敗した。開幕以来、それまでわずか自責1と抜群の安定感を誇ってきた佐々木にとって、今季初めて味わう苦痛だった。「全力で投げても制球重視で投げても、スピードは変わらないということが、あらためて分かりました。やっぱり僕は制球ですから」。5番ハンター、さらにミンケイビッツと並ぶツ軍の主軸に対し、5球すべて直球勝負。一ゴロ、左飛に打ち取るのに、駆け引きは不要だった。

 自らの屈辱を晴らす以上に、特別な思いを感じていた。この日、球場入りした直後、パンチョ伊東さんの訃報(ふほう)を耳にした。89年のドラフトで横浜(当時大洋)から1位指名された際、自分の名前を呼んでくれた「あの声」は、今でも佐々木の耳に残っていた。メジャーへの思いを強くしたのも、伊東さんの存在があったからだった。「いろいろ相談にも乗ってもらいましたし、すごく寂しいです。パンチョさんがメジャーのことを日本に伝えてくれなかったら、今の僕たちはなかったでしょう。心からごめい福をお祈りします」。20セーブ目のウイニングボールは、いつも温かく励ましてくれた伊東さんの墓前にささげる。

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