<マリナーズ2−1デビルレイズ>
マリナーズ佐々木主浩投手が後半戦好スタートを切った。デビルレイズ戦で1点差の9回裏に登板。1死から二塁打を許しながらも後続を断ち、22セーブ目を挙げた。マリナーズは3連勝で、今季最多の貯金24となった。
走者を出しても、自分でも不思議なくらい落ち着いていた。マウンド上の佐々木は、1点差の緊迫感以上に、自分の投球スタイルを思い描いていた。9回裏1死、同じ球宴組のウィンに二塁打を許した。だが、佐々木は肩の力をスッと抜いた。「ずっと冷静でいられました。本塁打だけを気を付けて、制球重視。これが1点差の投げ方かな」。
2番アバナンシーのバットをへし折ると、続くコックスにはフォークの連投。カウント0−2からでも、フルカウントになっても、フォークを投げ続けた。「まあ、歩かせてもいいや、ぐらいの気持ちでした」。単なる開き直りではなく、打者心理を読んだ冷静な投球で、最後のアウトをつかんだ。
この日が後半戦初登板。6月30日、7月2日と球宴前の2度の救援失敗が、佐々木に投球の原点を思い出させた。抑えたい気持ちが強いあまり、リキみになり、力任せに投げようとしていた。「2回やられて、マウンドでどういう気持ちだったか、どこが悪かったか反省しました。僕の場合、リキんだらダメ。やっぱり低めの制球なんです。学習しました」。失敗を謙虚に受け止める姿が、成功の秘けつだった。
移動も伴う球宴に出場したことで、疲れも蓄積していた。その一方で、タンパの宿舎に到着した後は、すぐに体を動かし、入念なマッサージを受けるなど体調管理は怠らなかった。自身の背番号と同じ「22」セーブ目。「確かに1点差ばかりで厳しい場面は多いですが、それがボクの仕事ですからね」。蒸し暑いフロリダでも、佐々木は涼しい顔で言った。
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