<マリナーズ3−1エンゼルス>
マリナーズが、1日で地区首位の座を奪還した。2点リードの9回表、家族が見守る中、佐々木主浩投手が、打者3人をピシャリと抑える好救援で今季26セーブ目。接戦をものにして、宿敵エンゼルスの勢いを止めた。
わずか2点のリードでも、指先のかかりと腕の振りを確かめる余裕があった。9回表。マウンドの佐々木は2死を取ると、自分の体調をはかるためにいつもより力を込めて投げ込んだ。外角への直球は、時速94マイル(約151キロ)を計時。「なんだぁ、結構(スピードが)出てる。大丈夫だね」。自ら球場内のスピードガンを確認。余計な力みをなくす投球が完全に定着したことで、佐々木はより自信を深めた。球宴前、2試合連続で救援に失敗して以来、佐々木は直球のスピードを無視していた。「制球を重視して投げるだけです」。ミスをなくすために細心の配慮を続けてきたが、それでも満足はしていなかった。謙虚に、そして大胆に投げるためにも、自らの「球筋」を再認識したかった。
いつも以上の重圧は感じていた。前日、エ軍との首位攻防戦初戦に惨敗。対エ軍5連敗を喫し2位に陥落したことで、絶対に落とせない試合だった。「それは最後の最後に考えること。あまり意識はなかったです」。その一方で、バックネット裏では、故郷・仙台から訪問中の母信子さんをはじめ、姉美紀さん叔父敬治さんらが観戦。98年に他界した父忠男さんの遺影の前で、抑えないわけにはいかなかった。試合後は、自宅前の湖で釣りやボートのクルージングを楽しむなど、公私の切り替えにも抜かりはない。
「今はまだ焦る時期じゃない。ただ、これからはもっとプレッシャーがかかると思うんで、キッチリと投げていきたいです」。メジャー3年目。最後の勝負どころを見据える佐々木に、不安はない。
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