<マリナーズ5−0エンゼルス>
小さく、右手でガッツポーズを作った。9回2死走者なし。最後の打者ニエベスをフォークで二飛に仕留めたマリナーズ佐々木は静かに喜びをかみしめた。「5点差ありましたし。昨年みたいに負けられない状況じゃなかったですから」。昨年は優勝は逃したが、最終戦でワイルドカードを手にし、プレーオフに進出した。今年は違う。歴史的快進撃を続けるチームの守護神としフル回転した集大成といえる登板だった。「僕は投手なので、投手全員で戦ってきましたからホッとした感じでした」。昨年に並ぶ63試合目の登板。テロの影響で10日ぶりの登板となったが、2年目の余裕もにじみ出ていた。
各チームの徹底した配球分析に苦しんだ時もあった。8月18日ヤンキース戦では打球が右足を直撃。2週間以上、後遺症に悩まされセーブ争いでも2位に後退した。それでも日米通算300セーブ、自己が持つマ軍の最多セーブ記録(37セーブ)の更新など数々の記録を刻み込んだシーズンでもあった。
現在41セーブでトップのリベラ(ヤンキース)とは5差。まだ射程圏内だが「それはあきらめました」と答えた。「個人よりチーム。大きな目標がありますから。昨年プレーオフでヤンキースに負けて悔しい思いをしたしワールドシリーズに出て勝ちたいからね」。V会見終了直前、同時テロへのコメントを求められると言葉に詰まり、涙をにじませた。「まだまだ先は長い」。チーム全員の思いを代弁していた。
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