<マリナーズ1−0レンジャーズ>
シアトル・マリナーズは佐々木主浩投手が45セーブ目で締め、116勝目を挙げ、1906年カブス が記録した年間最多勝のメジャー最多に並んだ。2年目の今季タイトルは逃したが、メジャーの「顔」としてマーク・マグワイア(カージナルス)ケン・グリフィーJr.(レッズ)らスーパースターとナイキ社の米中枢同時テロの義援CMで共演することになった。マ軍は今日7日(同8日)が最終戦。イチロー外野手(27)の首位打者、盗塁王のタイトルと、同時にマ軍はシーズン最多勝に挑戦する。
格好良く決めた。メジャー記録のシーズン116勝まで、あと1球のクライマックス。佐々木が9回2死からA・ロドリゲスをカウント2−0と追い込んだ。地元4万5607人の観客は総立ちで、その瞬間に息をのんだ。「116勝の節目だから。最後は三振で決めようと意識しましたね」。135キロのフォークで空振り三振を奪う。1906年のカブス以来となるメジャー最多116勝を完ぺきに締めた。
「記録はあまり意識しないようにしてたんですけどね。明日の117勝の最後の方が格好良かったかもしれないよ」と苦笑いを浮かべた。が、偉大な記録がかかり、最後の打者がメジャーのスーパースター。これ以上ない舞台で、胸の高まりを抑えることができなかった。「すごい記録に並んだ試合を締めることができたのは光栄です」と興奮気味に話した。
記録以上に喜べることもあった。この日試合前、ロドリゲスと異例のCM撮影に臨んだ。米中枢同時テロ事件の義援活動にナイキ社と契約する各国を代表するメジャーのスーパースターが立ち上がった。グリフィーJr.、ロドリゲス、マグワイア、朴賛浩、I・ロドリゲスら米国はもちろんベネズエラ、ドミニカ共和国、韓国、オーストラリアの各国を代表する選手が今月下旬から同社のCMで共演する。その日本代表で佐々木が出演することになったのだ。
各選手ともボランティアで参加。その出演料の代わりにニューヨークの団体へ「義援金」の形で寄付される予定だ。各選手が「Take me out to the BallGame」を合唱し、被災者を応援する。佐々木は日本語で歌うが「あの悲惨な事件で米国に限らず、世界中が落ち込んだと思うんです。少しでも自分の力が役に立てばいいと思う。そうそうたるメンバーと一緒にやれるのはありがたいことです」と話した。
マウンドでもその気持ちは忘れていない。今季1試合を残し、この日が公式戦最終登板。セーブ王のタイトルは逃したが、9日(同10日)からのプレーオフ、地区シリーズのインディアンス戦に全力を傾ける。「優勝できたし、簡単には破られそうにない記録のマウンドにいることができた。あとは日本人で、だれも立ったことがないワールドシリーズのマウンドです」。世界一を決める最後のマウンド。そこに大魔神がいるのは夢ではない。
◆シーズン勝利数とワールドシリーズ(WS) マリナーズが116勝目を挙げ、1906年カブスのメジャー記録に並んだ。ポストシーズンへの期待も膨らむ。過去108勝以上した10チームはすべてWSに進出、7チームが世界一になっている。地区制ができた69年以降(地区シリーズ、リーグ優勝決定戦を勝ち抜いてWSに進出した)5チームに限れば、69年のオリオールズ以外、4チームが優勝と「世界一確率」は8割。またマ軍がWS制覇すれば、シーズン通算127勝(116+11)に達し、98年ヤンキースの125勝(114+11)を上回る新記録にもなる。
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