<プレーオフ、ア地区シリーズ第4戦:インディアンス2−6マリナーズ>
マリナーズの守護神佐々木が珍しくガッツポーズを見せた。「負けたらすべてが終わる試合ですからね。気持ちは1、2点差と同じですよ。ずっと緊張しっ放しだった」。4点リードの9回裏に登板。先頭で迎えた打者は、2回に2戦連発アーチを放ったゴンザレスだった。
「やっぱり相手も研究してくるから。こちらも考えないと」と配球で工夫した。初球から3球連続直球でカウント2−1と追い込んだ。そして134キロのフォークで見逃しの三振に仕留めた。審判のコールを待つことなくゴンザレスが打席を後にしたほど。1戦目の対戦では4球中3球フォークで空振り三振に抑えており、相手主砲の頭を混乱させもした。
続くトーメも空振り三振。インディアンスの左右の看板打線から連続三振を奪い、相手の勢いを完全に消した。最後は好調バークスを二飛と主力3人を10球で料理。あまりの完ぺきな内容に、敵地ファンからは佐々木へブーイングも飛んだ。昨年のプレーオフから6回2/3を投げ、無失点で12三振。もう負けられない、土壇場の試合で「プレーオフ男」の本領を発揮した。
ケタ外れのイチローの精神力に佐々木も負けてはいなかった。雨の影響で試合時間が2時間20分も遅れた。その間、イチローはソファで寝ていたが、佐々木はロッカーの前にバスタオルを敷いて「マイまくら」で熟睡していた。「前日は時差の影響で午前4時に目が覚めて眠たくて。イチローもマルチネスも寝てたんですよ。寝てた選手が活躍してますね。そういうもんなんですよ、この世界」。
大一番を前に緊張感がベンチを覆う中、スイスイ夢の中。「これで勢いは取り戻したかなという感じですね。とにかく明日勝たないと意味がないですから。投げる場面になれば、キッチリ抑えるように頑張ります。これでうちが有利です」。15日は本拠地に戻る。何度も修羅場を経験してきた「DAIMAJIN」が自信の言葉を残した。
◆ガルシア雪辱:マリナーズの若きエース、先発ガルシアがチームの窮地を救った。2回裏、イ軍ゴンザレスのソロアーチを喫したが、その後は踏ん張り7回の逆転劇につなげた。「1点リードされたが、1イニングごとに必死だったし1点差なら味方打線が取り返してくれると思っていたよ」と25歳の右腕。7回途中まで2失点(自責1)の好投で、初戦黒星(6回途中4失点KO)の雪辱を果たした。
◆コローン続投が裏目:インディアンス 本拠地で2勝2敗と逆王手をかけられたインディアンスのマニエル監督はイチローの活躍にお手上げだった。7回のイチローを打席に迎えたピンチでは満塁策、継投なども考えられたがコローン続投の決断が裏目に出た。「イチローが危険な打者なのは分かっていたけどね…」。早口なコメントが動揺を物語っていた。
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