<マリナーズ3−1インディアンス>
マリナーズ佐々木主浩投手が今季29セーブ目を挙げ、チームに後半戦初の5連勝をもたらした。インディアンス戦で、2点リードの8回表2死一塁から登板。味方失策などで満塁のピンチを迎えたが、後続を抑え切った。貯金は今季最多の26となり、2位エンゼルスに3ゲーム差をつけた。
切り替えは素早かった。8回2死一塁から緊急登板した佐々木は、その瞬間、確かにガックリした。初球のフォークボールで平凡な三塁ゴロに打ち取ったものの、マクレモアが一塁へ悪送球。チェンジのはずが、一打逆転のピンチに変わった。だが、落胆したのも一瞬だけだった。続く4番トーメにはフォークを連投。「1発だけは避けたい。四球でもいい」。慎重な投球で四球を与えたものの、5番ブラドリーを投ゴロ。打者の力量を見極めた上で、より安全な策を選択してピンチを脱した。
佐々木の持論だった。「失策で出した走者をかえさない」。試合終盤、1球のミスも許されない状況での失策は、確かにショックが大きい。だが、その責任を一番感じているのは、失策を犯した野手自身。「わざとミスする選手はいないし、美技で助けてもらうこともある。失策の走者をかえすと、その野手が一番つらい思いをするわけですから」。日ごろ、口グセのように言い続けているのも、野手との信頼関係を第一に考えているからだった。
9回1死一塁の場面でも、一塁ゴロに打ち取りながら遊撃ギーエンの悪送球で併殺には取れなかった。だが、最後は横浜時代の同僚でもある代打セルビーを空振り三振。「彼のことはよく分かってますから」。敵となれば容赦しないのも、佐々木らしかった。8回途中からの登板は今季5度目。今季最多の29球を投げての勝利への貢献だった。
これでチームは球宴後初の5連勝。ライバルのエンゼルス、アスレチックスがともに敗れ、首位の座をガッチリとキープした。「まだ相手を意識する時期じゃない。9月になればもっとプレッシャーもかかりますからね」。いくつもの修羅場を乗り越えてきた佐々木の言葉は、説得力十分だった。
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