<マリナーズ4−3Rソックス>
マリナーズの佐々木主浩投手が、メジャー入り以来3年連続となる30セーブをマークした。レッドソックス戦で1点リードの9回表に登板。3番ガルシアパーラから始まる強力打線を3者凡退に打ち取った。
体の不安も、区切りの数字も、マウンド上では忘れていた。9回表佐々木は、いつものようにタオルで汗をぬぐい、紙コップ1杯の水でのどを潤してマウンドに向かった。「非常にタフな場面でしたし、しびれる状況。でも、なんとかなる、とは思ってました」。
3番ガルシアパーラから始まるレ軍自慢のクリーンアップが相手。選球眼も良く、1発も兼ね備えるつわものを前に、佐々木はいつも以上に冷静だった。ガルシアパーラを右飛で退け、続くラミレスは3球三振。移籍直後のフロイドに対しては、万全を期してフォークボールを連投し、投ゴロに仕留めた。
7日のブルージェイズ戦での登板後、持病の腰痛が悪化した。開幕以来、ほとんど「完全オフ」がなく、心身とも疲れはピークに達していた。試合中、ロージンを拾う際にも、屈伸をするそぶりでカムフラージュするほど。だが弱音を吐く男ではない。悪化後は、電気ばり、マッサージ、温性クリームなどあらゆる手段を講じて治療に専念した。
「体をかばっても仕方ない。弱みを見せたらやられますから」。メジャー入り後3年連続30セーブ。「抑えて当たり前」と思われがちな役割を、常に高いレベルで維持してきたことを同僚のイチローが説明した。
イチロー「簡単に見えるかもしれませんが、一緒のグラウンドに立っていると、そのすごさは痛いほど分かります。どれだけすごい打者と対戦してきたか、その中でこれだけ続けることが、どれだけすごいことか。人が思っている以上に大変なこと。もっともっと評価されていいことだと思います」。
イチローの言葉を聞いた佐々木は言った。「すごくうれしいことです。でも、ボクは与えられた仕事をやるだけなんです」。偉業を偉業と感じさせない、さりげなさが、レベルの高さを物語っていた。
◆日本では 横浜時代の佐々木は95年32S、97年38S、98年45Sと、30セーブ以上を3度マークしているが、3年連続はなし。日本球界において、3年連続30セーブを記録した投手がまだいない。
◆データセンター 現役投手で、3年連続30セーブを達成している投手は佐々木のほかに5人。連続30セーブ到達の最多は、14日にトレバー・ホフマン投手(パドレス)が達成した8年連続。新人から3年連続30セーブは、現役では昨年のコッチ投手(アスレチックス)と佐々木の2人のみ。
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