横浜佐々木主浩投手(36)が9月2日に右尺骨の「骨棘(こつきょく)除去手術」を受けることが30日、明らかになった。この日、横浜市内の病院で2度目の精密検査を受けて球団側と相談した結果、手術することを決断した。今季中の復帰は絶望となったが、「このままでは終われない。ファン、球団へ恩返ししてから辞めたいです」と再起をかける。
今季限りで引退を決意していた佐々木が、体力の限界を感じた理由の1つに、右腕の故障があった。7月初旬から指先の感覚が鈍くなる症状が出始め、当初はさほど深刻な状態とは感じていなかった。だが8月8日のヤクルト戦でプロ初の3連発を浴び、3試合連続で救援に失敗した時期には、生命線であるフォークボールが思った通りに投げられない状態だった。
右尺骨の骨棘(こつきょく)除去と右手の指先を圧迫している尺骨神経の剥離(はくり)手術。99年オフにFAでマリナーズへ移籍する際、同じ手術を受けている。引退撤回を勧めた砂原オーナーらの説得、自らのホームページに寄せられる1日約300通のファンの応援が復帰へ背中を押した。「ファン、オーナーには辞める前に、もう1度マウンドに立つことを約束したんです。恩返しする意味でも復帰しないといけないと思ってます」。
現在日本記録タイの289セーブポイント。あと1セーブで日本記録を達成する。だが「記録は意識してないです。それが目的で復帰にかけるのではないですから」と言葉に力を込めた。2年契約で来年まで契約があるが、「いくら契約があっても、ボールを投げる状態にならなければ、プレーはできないでしょ。万全の状態に戻らなければ、再びマウンドに立つことはできないと思ってます」と、来季の去就はリハビリや自主トレの状態で決める意向を示した。リスクを背負い、選手生命をかけた4度目の手術となる。
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