<マリナーズ7−5ブルージェイズ>
伝家の宝刀がさえわたる。9回表1死。マリナーズ佐々木が投じたフォークボールは、ブ軍クルーズJr.の手元で急激に落ちていった。クルーズJr.のバットは空を切るしかない。カウント2―0からの3球勝負。遊び球など必要なかった。次打者デルガドへもカウント2―0から、ツーシームで勝負に出る。ボールになったものの、7球目の直球で空振り三振に仕留めた。ブ軍が誇るクリーンアップも、佐々木の前ではおとなしいだけだった。
今季2度目となる8回からの登板だった。リードは2点。2死一、三塁のピンチに、ブルペンからマウンドへ走った。イチローの失策もあって広がったピンチ。ここをしのぐのは、佐々木しかいない。最初の2球は球が上ずったが、きっちりフォークで右飛に抑えた。チーム30試合目で17試合に登板し、早くも14セーブ。登板過多の傾向はあるものの、佐々木は大好きな夏に向けて、着実に調子を上げている。
「フォークがいい感じになってきた。早く落ちすぎて、見逃されていたからね。今日は手元で落ちていた。本来の感触だよ」。カーブも、ツーシームもある。だが、やはり速球とフォークが、佐々木の生命線。セーブを重ねながらも、佐々木は満足はしていなかった。「球持ちがよければ、打者の手元で落ちるからね。真っすぐもそうだけど、球持ちが大事なんだ」。速球も94マイル(約150キロ)をマークと、全開モードに入った。
この日は、日本ならば「こどもの日」。試合後は長男彰吾くん(7)とキャッチボールを楽しんだ。開幕からフル回転の疲れはある。だが、心身ともに充実している。
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