<マリナーズ3−2オリオールズ>
マリナーズ佐々木はガッツポーズで締めた。1点リードの9回表2死一塁。ヘアストンの打球が、右前へと飛んでいく。後ろを振り返り、イチローの動きを見つめた。グラブに打球が収まると、両手をたたいて喜んだ。チーム50試合目の20セーブ到達は、メジャー史上2番目に速い記録。それだけの登板過多に耐える大魔神にとって、後輩の好プレーは何よりうれしかった。
「今日はイチローがすごいプレーをしていたよね。最後も助かった。ハイタッチをしたとき『サンキュー』と言った。ロッカーでも礼を言ったよ」。自分の記録はさておき、イチローの好守備をたたえた。横浜時代からチームメートへの感謝を忘れない。だからこそ、記録についても「チームが好調だからだよ。この前も(救援に)失敗しているし、今日も調子はよくなかった」とおごることはない。
慎重な投球だった。前回登板した27日のロイヤルズ戦。同じ1点リードで登板し、同点アーチを浴びた。調子はよかったものの、不用意な1球の失投が響いた。「この前も1点差。今日はとにかく低めに集めようと考えていた」。クローザーとして、連続の失敗は許されなかった。
地元シアトルでのオールスターは、イチローだけが主役ではない。投手はファン投票がないものの、マリナーズの快進撃を支える佐々木の選出は間違いない。「まだ50試合?先を考えると気が遠くなる。イチローも同じで、球宴とか先のことは考えられないと思うよ。今日、明日の試合だけだよ」。だが、2人の超人的な活躍を見れば、どうしても球宴、そしてプレーオフを想像してしまう。
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