03年の大リーグ・春季キャンプが、マリナーズのバッテリー陣を皮切りにスタートした。右ヒジ手術後の佐々木主浩投手は、早速ブルペンに入り、ボブ・メルビン新監督の前で初めて投球練習。捕手を座らせて約40球を投げ「素晴らしい出来」と高評価を得た。
ミットを鳴らす小気味いい音が、復調ぶりを示していた。メジャー4年目のキャンプ初日。佐々木の表情は、これまで以上に引き締まっていた。アップ、キャッチボール、遠投を終えると、休む間もなく、ブルペンへ向かう。20球の立ち投げを済ませると、何のためらいもなく、手術後初めて捕手を座らせて本格的な投球を始めた。「いい感じで投げられたので、ひと安心というところですね」。
昨年10月、右ヒジ遊離骨除去手術を受けた。わずか2センチほど切開する手術だったとはいえ、少なからず不安は残っていた。オフの間、ウエートトレで弱っていた筋力を再生。ハワイ、サイパンと温暖な地を選んで調整を続け、万全を期してきた。特に「投げ始め」の時期と気候には細心の注意を払ってきただけに、キャンプ初日の本格的投球は、復調を測るバロメーターでもあった。
佐々木以上に安心していたのが、今季から指揮を執るメルビン監督だった。トレーナー陣からの説明を受けながら佐々木の投球を入念にチェック。「素晴らしい出来。手術を受けたあとだが、ブルペンの投球を見るとまったく心配ないと思うよ」。メジャーで最激戦区といわれるア・リーグ西地区を勝ち抜くために、ブルペンの整備は不可避。特に佐々木への期待度は大きいだけに、回復状況は最も気になるところだった。
今後は、徐々に球数を増やしながら「2勤1休」で調整を続けていく予定だが、佐々木自身はマイペースを貫く。注目を集めているヤ軍松井についても「そんなに意識はない。ヤンキースは松井君がいなくてもすごいチーム。まあ、彼だけじゃなく、ある程度、配球とかを考えていきます」とサラリ。開幕までの青写真は、しっかりと頭に刻まれているようだ。
この情報はnikkansports.comの協力でお送りしています
|