佐々木主浩投手が、韓国ロッテとの練習試合に登板し、新球カットボールの手ごたえをつかんだ。先頭打者に1発を許したものの、打者5人に対し、21球中8球「試投」。2安打1失点ながら2三振を奪うなど、上々の試運転だった。14回制で行われた試合は8−1でマ軍が勝った。
初登板を終えた佐々木は、ロッカールームで着替えを済ませると、淡々とした表情で試合を振り返った。1回を投げ、ソロアーチを含む2安打1失点。公式戦中なら苦い顔つきになる結果でも、目は笑っていた。「反省することはないですね。抑えるとか打たれたじゃなくて、自分の投球ができたと思います」。結果が問われる時期でもなければ、そんな立場でもない。思い描いたイメージに近い投球が、何よりも今の佐々木には必要だった。
先頭打者に高めに抜けた直球を左翼席へ運ばれ、光山(元横浜)にも三遊間を抜かれたことが、逆に佐々木の気持ちに緊迫感を与えた。「さすがに2点目は取られたくなかったですからね」。昨年10月に右ヒジ手術を終えて以来、初めてとなる実戦マウンド。投げる予定になかったフォークも交えるなど、佐々木の右腕に久々に抑えようとする本能がうずき始めた
。 その中でも、好感触を得たのが、昨オフから取り組んできた新球カットボールだった。全8球中、抜け気味になったのは、わずかに1球だけ。右打者の外角に投げた2球で空振り、左打者への1球では詰まらせるなど「手を出させて凡退させる」という本来の意図以上に、効力を発揮した。
初登板に加え、アリゾナでは珍しいほど寒風が吹き荒れたこともあり、あくまでも手探りの段階に変わりはない。「カッター(カットボール)を試すことが一番の目的でしたが、狙い通りといえば狙い通り。あとは細かい制球ですね」。技術的な手ごたえ以上に、打者を打ち取る快感を思い出したことが、佐々木にとって何よりの収穫だった。
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