マリナーズ佐々木主浩投手が日本球界へ復帰することが１９日、明らかになった。佐々木が「家族のために日本の球団でプレーしたいと思ってます」とマリナーズ側へ日本への復帰を熱望。マリナーズとは今季まで契約があるが、佐々木の意向でマ軍はウエーバーにかける方針。佐々木がＦＡの立場になれば古巣横浜が獲得へ動く可能性が高く、「ハマの大魔神」の復活が有力となる。今日２０日にも日本球界復帰の希望を表明する予定だ。 　「世界の大魔神」が日本球界へ帰ってくる。今季、メジャー５年目を迎えるはずだった。だが、佐々木は親しい関係者に「子供と一緒にいたいから、日本の球団でプレーしたい気持ちが強くなった」と明かしている。

　マリナーズとは今季年俸８００万ドル（約８億８０００万円）の契約が残っている。だがメジャー関係者は「佐々木の代理人が本人の意向を受けて、マリナーズと調整している。マリナーズ側も佐々木の意向を尊重する形で、リリースするのではないか。日本へ復帰する可能性は高いです」と説明した。

　昨年、佐々木は持病の腰痛や右脇腹の故障で、２度の故障者リスト入りを経験。わずか１０セーブとメジャー４年間では最低の成績だった。だが、日本と米国の二重生活が続いて、メジャー関係者には「あのクレメンスが家族のことを考え引退宣言までした。これからは家族のことを第１に考えないといけない」と本音を漏らしている。野球人の前に子供の父親の立場から決断したようだ。

　また、佐々木の心を動かした理由に、日本への愛着もある。メジャーの選手はアテネ五輪には出場できない決定に、「日本球界に恩返しがしたかった」と悔やんでいた。日本球界へ復帰すれば当然、長嶋ジャパンのストッパー候補となる。佐々木の気持ちの中に、アテネ五輪があるのは確かだ。

　マリナーズ側もメルビン監督はあくまで佐々木をストッパーの戦力として期待しているが、佐々木の意向を受けてウエーバーにかける方針。近日中にもリリース手続きをとる予定で、佐々木のウエーバー期間が切れて、自由契約の立場になれば、古巣横浜が獲得に動く可能性が高い。もともと横浜はチーム再建の切り札として、佐々木の契約が切れる今季オフには獲得に動く方針だった。現在、新外国人投手を３、４人リストアップしているが、佐々木獲得へ切り替えることは十分あり得る。

　横浜以外に絶対的な守護神が不在の巨人が佐々木に興味を示していたが、佐々木は常々「仮に日本でプレーするなら、横浜がベターです」と話してきた経緯がある。佐々木本人が金額などの条件面ではなく、古巣横浜への愛着を感じている面から、横浜が獲得を表明するとなれば、あの大魔神がベイスターズ、日本球界の“救世主”となる。今日２０日にも、佐々木本人が真意を明かす予定だ。