<マリナーズ6−4レンジャーズ>
スタンドの気持ちは、痛いほどマリナーズ佐々木の胸に伝わっていた。9回2死。最後の打者・カタラノットをカウント2―1と追い込むと、本拠地のファンは総立ちでウイニングショットを見守った。「(三振を)狙ってはいたんですけどね。うまく当てられちゃいましたね」。3者連続三振を逃して悔しがるほど、球威も制球も完ぺきだった。
開幕以来14試合目で、早くも9試合の登板。しかも、すでに4カード連続の登板とあって、疲れがないはずもない。だが、佐々木は最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。先頭のカミニティには、内角直球で追い込んで、キャンプ以来取り組んできたツーシームを、公式戦で初めて「試投」。結果的にファウルされたものの、この1球が生きて続くフォークで三振に打ち取った。続くカーティスには、カーブを交えるなど、余裕たっぷりのプレートさばき。4安打のイチローが盛り上げた試合が、最後は佐々木のステージに変わっていた。
この日は、シアトル郊外の自宅から球場へ向かう途中、愛車ポルシェの右後輪のタイヤが破裂。幸い高速道を降りる直前だったため大事にはいたらなかったものの、一瞬ヒヤリとさせられた。もっとも、試合のマウンド上では一瞬たりともヒヤリとすることなく、自らの役目を終えた。「今はチームの調子もいいし、出だしは大事ですからね」。メジャートップを独走する7セーブ目。イチローの安打量産以上に、佐々木のペースもアップし始めた。
この情報はnikkansports.comの協力でお送りしています
|