<ヤンキース5−7マリナーズ>
3年連続世界一のヤンキース・ベンチにも、マウンド上に佐々木の姿が見えた時点であきらめムードが漂っていた。マリナーズの2点リードで迎えた9回裏に登板。1死後、1番ノブロックに二塁打を許す。だが続くジーターに対し、佐々木は真っ向勝負を挑んだ。ファウルで粘られても9球すべて直球。「真っすぐが走っていたし、四球は出したくなかったんです」。内角低めの直球で遊ゴロ。最後の打者オニールが力ない中飛を打ち上げた瞬間、スタンドのヤ軍ファンは一斉に席を立った。
2日連続の今季11セーブ目はマリナーズの月間タイ記録(チャールトン=95年9月)に並んだ。メジャーの4月月間セーブ記録にもあと1。「チームがすごくいい状況だから疲れもあまり気になりません。11セーブ? 数字が好きなのは皆さん(マスコミ)だけで、僕は好きじゃないですから」。笑みを絶やさない応答の中でも記録へのこだわりにはキッパリと拒否反応を示した。
しかし、メジャートップの11セーブを挙げた現在、球宴出場は「当確」。「ずっと先のことなんで考えられません。今は目先の試合のことだけですよ」。世界一相手にも動じない。仁王立ちする佐々木の背中が、また一段と大きく見えた。
◆マリナーズ・ピネラ監督 佐々木は相変わらずいい投球を続けているね。昨年37Sを挙げたし、今年はメジャートップの数字を残しているし、何より自信を持って投げているのがいい。彼は僕にとって大事な抑え役だ。
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